仮面様顔貌


  病気によっては顔の表情にその特徴が現れる事があります。 神経内科の領域でも外来診察時に”顔を見れば病気の診断が出来る≠ニいえる位、顔の表情をとらえるのが大切な病気があります。 その中でも代表的な疾患がパ−キンソン病です。 パ−キンソン病は全身の筋肉が硬くなり(筋固縮)、全身の動きが鈍くなる病気です。 そのため顔の表情筋も微妙な動きが制限され、まばたきが少なくなり、顔の表情が乏しくなります。 この状態を仮面様顔貌といいます。 能面のツルッとした感情のこもらない様な表情を思い浮かべてもらえば良いかと思います。 もちろん症状の程度に応じてその程度も異なり、初期においては分かりにくいのも事実です(熟練した神経内科医がみれば他の神経学的所見と照らし併せてみるとかすかな変化が顔に出ているのが分かることも多い)。 
 
  うつ状態でも顔の表情は少なくなるかもしれませんが、この場合は気分の沈んだ状態が分かる程度の内面の表現がみられ、ここでいう仮面様顔貌とは異なります。。
 
  その他にも神経内科領域に限らず”病気ごと≠ノその病気らしさが顔の表情に出ている事は、その病気を専門にしている熟練した医師がよく経験する事です。 明るい生気ある顔が健康の証拠です