顔の痛みについて

   顔が痛いといって受診される中で、最もポピュラ−なのは三叉神経痛です。 三叉神経は顔面の感覚神経(第N脳神経の感覚枝)です。 三叉神経第1枝、2枝、3枝と分かれています(下図)。三叉神経痛はこの第N脳神経(感覚枝)の第1枝から第3枝の1つまたはそれ以上の支配領域に生じる持続時間の短い反復性・発作性の疼痛です。 痛みは突然の激痛(電撃痛)で通常一側性に自然に生じる事もあれば、ある特定の顔面領域(trigger point;誘発点)の軽い刺激(軽く触るなど)で誘発されます。 三叉神経は口腔内、舌(前方3分の2の部分)、歯等の感覚も支配していますので、 歯の痛みが虫歯でなければ、三叉神経痛の可能性もあります。 又、頭蓋内の硬膜(脳の表面を覆っている膜)の感覚にも関与しており、頭痛発作として生じることもありえます。 
 
  三叉神経痛の患者さんの中には、”顔面神経痛になって”と言われる方も多い様です。 顔面神経麻痺と言う病名はありますが、顔面神経痛とは言いません。病気の名称も正しく使用して欲しいものです。