顔面麻痺について

  
  顔面麻痺とは文字通り顔面の筋肉が動かなくなる事です。 鏡を見て顔が歪んでいるとか、眼が閉じられない、水が口からこぼれる等で気付かれます。 臨床的には 中枢性顔面神経麻痺末梢性顔面神経麻痺に大きく分けられます。
  
  顔面筋を動かすには、大脳皮質の顔面神経を支配している運動神経細胞から出た命令が、神経線維を通じて脳幹にある脳神経Z番目の顔面神経細胞に伝わります。 そこから中継された刺激は最終的に顔面の筋肉を動かします。 大脳皮質から出て脳幹にある顔面神経細胞に伝わるまでに障害が生じて顔面筋が動かないときを中枢性、脳幹の神経細胞から顔面筋に至る経路に障害があり顔面が動かない場合を末梢性麻痺といいます。 臨床的には、額の筋肉を含め一側の顔面筋すべての麻痺が生じた場合は末梢性、額の筋肉は動くが、それ以下の顔面の筋肉(眼を閉じたり、口を閉じる筋肉)が動かなくなった場合は中枢性麻痺です。 
  
  中枢性麻痺は脳梗塞等、大脳に生じる病気でおき、末梢性は原因無しで突然生じたり(ベル麻痺という)、帯状ヘルペスというウイルス感染症でも起こります。 治療法はその原因により異なりますので、神経内科医による正確な診断が大切となります。