【突発性発疹】

 突発性発疹は、1歳以下の乳幼児が主にかかリます。ウイルス性疾患です。ただ2歳までにもかかります。

原因ウイルス
 HHV-6(ヒトヘルペスウイルス群ウイルスβ亜科のヒトヘルペスウイルス6型)もしくはHHV-7ウイルスが原因ウイルスとして考えられていました。現在では、HHV-6にはA型とB型があり、特にHHV-6のB型初感染によるのではないかと、最近考えられています。
 HHV-6の(ヒトヘルペスウイルス群ウイルスβ亜科のヒトヘルペスウイルス6型)にすでにかかった成人、抗体陽性成人の、唾液中の、ウイルスによる感染(大人の唾液からの飛沫感染、あるいは接触)でないかと言われています。なお、その成人(大人)は症状はありません。
 ヒト・ヘルペスウイルス7(HHV7)というウイルスも、一度HHV6の感染をおこしたあとに感染し、軽い突発性発疹の症状をおこします。したがって突発性発疹は一度ではなく、何回もかかることがあります。
 潜伏期は10日くらいとされています。

症状
 1歳未満では、典型的な症状は、生後最初の3-5日の高熱と、食思不振や鼻炎症状があり、その解熱と同時に、全身にハシカに似た発疹を見ます。ただこれは一挙に全身に出て、特に体幹に多く、顔や四肢には比較的(全然ないという訳でなく)少ないです。しかし一旦発疹は出たら、一般症状はあまり侵されず、比較的発疹が出てからは元気な子も多いです。発疹が出た後は熱もほとんと下がっています。予後は良好で発疹がなくなったら元気一杯で、それほど後遺症も報告されてはいません。

合併症
 熱性けいれん
  2割程度の児に併発しますが、両親のどちらかに既往のあることが多い。易刺激性、大泉門膨隆などの神経症状も他のウ ィルス性の発熱疾患にくらべて多くみられます。
 脳炎、脳症がまれにあります。
 下痢は一過性だが、かなり多く見られます。
 肝炎をまれに認めます。

治療
 対症療法です。発症、高熱、下痢などに合わせての治療です。

家庭で気をつけてほしいこと
 高い熱がつづきますが、それだけで「頭がおかしくなる」ことはありません。とくに寒気がないようなら、むしろ本人は暑いはずなので、手足をだしたりして、過ごしやすくしてあげて下さい。着せすぎ、掛けすぎは熱をこもらせてしまいますので、いけません。 食欲が落ちているようなら、水分だけでもとらせてください。薄い麦茶や果汁、子ども用のイオン飲料などがいいでしょう。離乳食は、食べられるようなら普通でかまいません。
 風呂は、熱があればお休みですが、お尻や首、脇の下などはきれいにしてあげて下さい。発疹がでたあとは、もう熱はないはずですので、普通に入浴してかまいません。

こんなときは要注意

・ひきつけたとき
・ぐったりしているとき
・3、4日以上高熱が続くとき
 変だなと思うときは、もう一度受診して下さい。