溶連菌感染症

 のどかぜ(咽頭炎、扁桃炎)が細菌によって起こる場合は、まず溶連菌が原因になっていることが多いようです。細菌によるのどかぜはウイルスによるのどかぜよりも急に発病し熱もぐっと高いのが普通です。のどを覗いてみると扁桃が真っ赤にはれていたり、白いものが付いていたりします。大抵の場合、溶連菌によるのどかぜに多くはのどかぜのまま終わってしまいますが、時に全身に細かい発疹を伴う形になることもあります。発疹を伴うよう連菌感染症を昔は猩紅熱と呼んで恐れられていましたが、今ではこの病気は溶連菌によるのどかぜに発疹という症状が加わった程度の軽い病気とされています。

症状

 発疹を伴う溶連菌感染症ではまず熱がでます。頭痛や吐き気やのどの痛みなども起こります。またおなかが痛くなることもあります。そしてのどや扁桃がはれています。発病1日目から3日目の間に発疹が出て2日ぐらいの間に最高となります。発疹は首、胸、脇の下から始まってやがて全身に広がります。顔をの発疹の出かたはいくらか少なく、口の周りに発疹が出ないのが特徴です。発疹は淡いピンク色でアセモのようにとても細かく少しかゆみを伴います。舌にも変化があって、初め舌の中心は白い苔みたいなもので覆われ、そこに赤いブツブツが際だって見えます。数日のうちに白いものはとれ、舌全体が真っ赤になり赤いブツブツが一段とはっきりし、赤いイチゴのようになります。3日目ぐらいから熱は下がりはじめ5日目になるとほぼ平熱になり、このころになると発疹も消えてきます。7日目頃から手足の皮膚がむけることがあります。

 これで全経過が終わりです。最近のよう連菌感染症では発疹が少なく扁桃炎と発熱が主な症状であることが多いようです。しかし治療を十分に行わなかった時には続発性の病気として急性糸球体腎炎、リウマチ熱、紫斑病などが起こることがあるので注意が必要です。

治療

 感染防止、続発性疾患の予防のためにペニシリンなどの抗生剤を10日〜14日続けて飲む必要があります。
 また発病後1〜2ヶ月は検尿を行い続発性の腎炎がないことを確かめる必要があります。

登園・登校基準

 適切な抗生剤治療が行われていれば、ほとんどの場合、24時間以内に他人への伝染を抑える程度に病原菌を抑えることが出来ますが、病気のはじめは他の子にうつす可能性がありますので、抗生剤を飲み始めて24時間は休学休園が必要です。主治医に許可を得てから登校、登園するようにしましょう。

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