咽頭結膜熱は別名プール熱とも呼ばれます。ブールでうつることが多いのでこの名がついたようです。咽頭結膜熱は夏のウイルスの代表ともいえるアデノウイルスによって起ります。ヒトの病因として明らかにされているアデノウイルスはせいぜい10種類の型にすぎないのですが、このうちブール熱は1、2、3型と7型で起こります。
アデノウイルス感染症は、プール熱の他に、流行性結膜炎(はやりめ)や小児の咽頭炎(のどかぜ)や喉頭炎、乳児肺炎、急性出血性膀胱炎を起すことが知られています。
感染経路 飛沫感染ですが、目やにも重要な感染源となり、プールや触った器物、手などを介してうつります。
症状 潜伏捌は4〜6日で、急に高い熱で始まり、これにのどのいたみ、目が真赤になる、首のリンパ節が腫れるのが特徴です。 熱は上ったり下ったりする熱が4〜6日続き、のどや扁桃は真赤になり痛みを伴います。眼球結膜は充血し、まぶたが腫れ たりします。しかしこういう症状がそろうのは学童などの場合で、乳幼児の場合は、はいたり、下痢したりおなかが痛い、 という症状が強く、逆に目の症状がほとんどなかったりします。
治療 高い熱が何日か(5〜6日)続くことが多いのですが、ウイルス性の病気なので特別の治療はありません。発熱、のどの痛 みなどに対し、一般のカゼに対するのと同じ治療を行います。結膜炎に対し、細菌混合感染予防のために抗生物質の点眼薬 を日に3〜4回点眼します。
家庭で気をつけること
@ 高い熱:何日も高い熱が続くので不安になるでしょうが、熱さましを使いすぎないように気をつけて、涼しい部屋で寝か せておきましょう。
A 食べ物:のどが痛いし熱も高いので食欲がない仕方がありません。プリン、ゼリー、アイスクリーム、ヨーグルト、冷 ましたおじや、豆腐などはいかがでしょう?
B 水分 :水分は十分に飲ませてください。これが最も大切です。水、麦茶、イオン飲料(アクアライト、ポカリスェット など)、牛乳、スープ、みそ汁などがよいでしょう。
C 入浴 :高い熱があるときや元気がないとき以外は我慢する必要はありません。