乗り物酔いについて

 乗り物酔いは,3歳くらいから発症しはじめ,小学校の高学年(4‐6年生)をピークに,中学,高校になるにつれて減少しいきます。
一般にバス酔いの発症頻度は,学童で
1020%,成人では5‐10%です。


睡眠不足,空腹,バスの中での読書,乗り物の加速度(急ブレーキや振動など)が重なると成人でも90%近くの人が乗り物酔いを起こします。また乗り物酔いは,ある程度,訓練効果や予防的対策が可能です。具体的には加速度や振動状態が予測できるようなブランコ,一輪車,トランポリン,自律神経系も鍛えられる水泳などの運動が効果的です。また,禅のような呼気をゆっくりとした腹式呼吸も予防的効果があり,症状が出現したときにも抑制効果があります。                      

姿勢や座席に注意し、気分転換を 

 乗り物酔いを最小限にくい止めるには、車に乗るときの姿勢や位置に注意が必要です。座席は自家用車なら前部に、バスではタイヤの上を避け、電車では進行方向に向かって座るようにします。近くの流れる風景は酔いの引き金になりますので、遠くを眺めるようにします。姿勢は座席に横になってお腹を曲げると酔いにくいと言われています。身体、特に腹部を圧迫しないようにして、ウエストのきつい服や首回りが締まる服は避けましょう。

予防する薬

 予防法として、もっとも一般的なのが酔い止め薬(トラベルミンなど)の服用で、薬局などにも売っています。自律神経の興奮を抑える作用があり、乗り物に乗る30分から1時間前に内服しておかなければいけません。副作用として眠たくなることがありますので、説明書をよく読んで下さい。
 ひどい症状で悩んでいる大人の方では、数日前から7%重曹水の血管注射をうつ予防法もあります。
 薬を使いたくない場合には、ショウガ汁が効果的なことがあります。スポーツドリンクにショウガ汁を数滴たらしたものを用意しておき、少量ずつ口に含むとよいでしょう。ジンジャーエールなどは代わりとなる飲み物ですし、ショウガ味やペパーミント味のアメやガムにも酔い止め効果が期待できます。

 このように、あらゆる手段を尽くしても乗り物酔いがおきた場合には、我慢せずに思い切って吐いてしまった方が楽になることもあります。吐く前にお茶などを多めに飲むと、楽に吐けるようになります。吐いた後は、氷を口に含むか、冷たい飲み物を少し飲むとよいでしょう。

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