ヘルペス性歯肉口内炎

 風邪を引いて熱がでた後などに唇のわきに水疱ができるのを経験された方もあるかと思います。これは単純ヘルペスと呼ばれるウイルスで起こります。
 生まれて初めてこの単純ヘルペスにかかった場合、時にひどい症状を表すことがあり、それがヘルペス性歯肉口内炎です。
 1〜3歳くらいの子どもがよくかかります。潜伏期は4〜5日で症状は7〜10日続くのが普通です。子どもの口の中に噴火口みたいな形のもの、周りが赤く中心が黄白色で、えぐれた形になっているものなどの口内炎が沢山でき、そしてこれが唇、舌、ほっぺたの内側、歯肉(歯ぐき)などのも一面に広がることもあります。唇の外側にもポツポツと広がり黄褐色の汚らしいかさぶたができるものもあります。また歯ぐきから出血しやすくよだれが流れ放しで口臭が強くなります。熱も高く4〜5日続くこともあり、口の中が痛いので不機嫌となり食事も食べなくなります。
 この間、周りで見ている人はかわいそうで何とかしてやれないものかと思いますが、最近よい治療法ができました。

治療法

 ウイルスに効く薬は今までなかったのですが、最近ヘルペスウイルスに効く抗ヘルペスウイルス剤が開発されました。これによって上に述べた症状が軽くなり短期間で治癒さすことができるようになりました。
ゾビラックス1日4回服用で5日間続けます。

家庭で気をつけること

 食べものでは熱いもの、堅いもの、辛いものは痛みを強めますので柔らかいもの、甘いものなど(プリン、ゼリー、アイスクリーム、豆腐など)食べやすいものを工夫して作って上げてください。食べないときは脱水にならないように十分に水分をとるようにしましょう。牛乳、お茶、イオン飲料などが良いでしょう。
 慢性湿疹がありステロイド軟膏を塗っている子がこの病気にかかると湿疹部にヘルペスが広がりヘルペス性湿疹に進行し重症化しますので注意が必要です。

 よだれなどからうつるので、口内炎が完全に治るまで、保育所や幼稚園は休みましょう。

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