ヘルパンギーナは乳児期のコクッサキーウイルス感染症として最も一般
的なもので夏のかぜの多くはこの病気です。コクサッキーウイルスA10,A4,A2などで起こることが多いようです。同じゴクッサキー一ウイルス(A16)で
起る病気には手足口病がありますがヘルパンギーナはこれよりも症状が強
くあらわれます。
流行の時期
5〜6月が最も多く7〜8月がこれにつぎ真夏を過れば急 激に減少します。ウイルスは愚者さんの喉から1〜2週間排泄され飛沫に
よる気道や腸管からうつります。乳児院や保育園などで集団発生がみられ ることはかなり強い伝染力があるものと思われます。
乳児から満3歳までに全体の約70%がかかることからこの年頃が一番 かかりやすい年齢といえます。潜伏期は2〜7日です。患者さんのせきや、つばなどに含まれるウイルスによって感染します。
主な症状は
突然の発熱で始まります。発熱は37.5〜39.5度にわたりますが、 軽熱または39.5度以上の高い熱をだすものはごく少な<、多<は38度台の発熱
です。熱の期間は2〜4日が最も多く、5日以上熱のつづくのは少ないようです。
熱に伴って口内炎、発疹、下痢などが見られますが、ほとんど発熱のみと言っ
てもいいくらいです。7日ほどで治癒します。
自覚症状は
乳児の場合、のどの痛みのため不機嫌、 唾液が多くなる、指を口の中に入れる仕草をします。
幼児以上になると、のどの痛みを更に強く訴え食べなくなります。これらは
熱が下った後から見られることが多く、1週間ぐらいでよくなってきます。
合併症
高熱や口腔内の痛みで、食事や水分を十分に取れず、脱水になるほか、熱性けいれんや髄膜炎、心筋炎といった合併症を生じる可能性があリます。
治療
経過も短<、予後も良いので特別の治療は必要ではありません。 ただ熱が高いときは解熱剤を用います。またのどが痛いときは鎮静剤も併
用します。
食事は
硬い、熱い、辛い刺激性のものはのどの痛みを増しますので避け、 柔らかい、甘い、冷えたものを好みにあわせて与えてあげて下さい。