細気管支炎

 ウイルス性肺炎の1つとして細気管支炎と呼ばれるものがあります。これは気管支が枝分かれして細くなった細気管支という部分が侵される状態ですが、この細気管支という場所は、肺の組織に近く肺炎と呼んでもよいと病態です。細気管支炎は1歳半までの赤ちゃんに特有な冬の病気です◎

(原因)

 RSウイルス、パラインフルエンザウイルスなどが主たる病原体です。

(症状)

 2,3日鼻汁、鼻づまりなどがあった後、しっこい連続した咳、ゼーゼー、ヒューヒューという形の呼吸困難が起こり、はじめの2〜3日は症状はひどくなりますが、その後7〜14日のうちに良くなります。
 熱はあまり高くありませんが、機嫌が悪くビービー泣いたりします。呼吸は浅くて速く、息をはき出すときにうなるようにすることもあります。鼻をひろげて、鼻で息をしているように見えます。
 大きい赤ちゃんは比較的良く治りますが、3か月までの赤ちゃんはまれに、呼吸不全で死に至ることがありますので注意が必要です。呼吸困難のひどいとき(呼吸が非常に早い60以上/分、口唇の色が悪い、ミルクをほとんど飲まない、ウトウトしている)は即、入院治療が必要です。

(治療)

 ウイルス性の疾患なので特効薬はありません。気管支拡張剤や去痰剤、場合によっては抗生物質など投与します。

(家庭での注意)

 家庭では呼吸状態に注意しつつ時々胸や背中をたたいて咳をさせ、痰を出させてください。ミルクは薄め、ミルクや水分は一度多く飲まさず少量づつ頻回に十分与えてください。部屋の湿度を60%以上に上げるように努めてください。
 上に述べましたように3ヶ月までの赤ちゃんは最初は軽い鼻かぜと思っていても急に呼吸困難をきたす例もありますので、小さい赤ちゃんのかぜには注意が必要です。小さい赤ちゃんには風邪を引いた人は禁物です。


目次へ戻る

ホームページへ戻る