アデノウイルス感染 


 アデノウイルスには40以上の種類があり、夏がぜのプール熱(咽頭結膜熱)をおこさせるウイルスとして有名ですが、今回流行っているのはアデノウイルスの2型と3型で、重症な扁桃炎(浸出性扁桃炎)を起こします。おもに1歳以上の子がかかります。大人にもうつった例はありますが、少ないようです。そのほかにも腹痛や下痢を起こすものや肺炎・気管支炎を起こすものもあります。

診断 アデノウイルス検出用キット、または扁桃の所見等から診断します。

症状
 急に高熱がでます。40.0℃以上になることもあります。のどの痛みは大したことはありません。扁桃に白い斑点がつくので我々が診ればわかりますし、のどにアデノウイルスがいるかどうかは10分くらいで迅速診断できます。発熱は5日間くらいは続き、抗生剤も坐薬もあまり効果がありませんので、水分を十分に与え、安静にして下さい。

治療
 熱の出始めのときに、ぐったりしていれば外来で点滴するか、入院治療をします。熱が高い割にはひきつけを起こすことは少ないようです。水分を十分とり、過ごしやすいように軽く冷房をかけてあげてもよいと思います。

家庭で気をつけること
 うがいと手洗いをしましょう。兄弟がかかりますと、5〜7日して次の子が発熱しますので、近づかないようにします。
この病気は赤ちゃんにはうつりにくい(お母さんから抗体をもらっているので)ようですが、1〜3歳の子は重症になりやすいと思います。小学生くらいになれば、外来の通院でほぼ大丈夫です。

保育所・学校
 咽頭結膜熱(プール熱)は学校伝染病証明書が必要ですが、それ以外は登園証明書は必要ありません。熱がおさまって2日くらい様子をみてから登園させて下さい。

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